じいちゃんと「からから」
こんにちは! マイキーの金子です。いつのまにかマイキーブログもぼくが書いている分は本日で10本目。本日は閑話休題。ぼくが好きな日本酒「からから」についてお話しします。
「からから」の香りを嗅ぐと、じいちゃんのことを思い出す
愛知県常滑市・澤田酒造がつくる日本酒に「からから」という銘柄があります。値段もお手頃で、東京ではあまり置いていないけれど、ぼくの地元・愛知県知多半島ではスーパーやコンビニエンスストアでも気軽に買い求めることができるお酒です。
何より、とっても美味しいんです。辛口がお好きな方なら、きっと気に入るはず。辛口ですっきりとしたお酒だけれども、しっかりとした旨味も感じられて、どんな料理にも合う、そんな日常遣いにピッタリのお酒だと思います。
この、澤田酒造「からから」の香りを嗅ぐと、ぼくは大好きだった、他界したじいちゃんのことを思い出します。それは、「からから」の香りがそうさせるんです。
じいちゃんは酒飲みでした。しかし決して酔っても、寡黙なことには変わりはなく、むしろ少しよく笑うようになるくらい。それでも控えめで、今のぼくとは正反対の人でした。
そんなじいちゃんが飲んでいた日本酒の香りが、「からから」の香りによく似ていると、大人になってから気付いたんです。
ぼくはそれほど日本酒に詳しい方ではありませんが、これまで他の日本酒を飲んで、じいちゃんのことを思い出す香りに出会ったことはありません。不思議なことですが、「からから」だけなんです。
もちろん「からから」の香りが強いとか、特徴的だとか、そういう訳ではないと思うんです。ですが、「からから」の香りの中にある、ある特定のポイントが、ぼくの記憶の鍵穴にぴったりとはまってしまう、そういうことなんだと思います。
幼い頃のことなので、残念ながらじいちゃんが飲んでいた日本酒の銘柄はわからないけれど、「からから」を飲むと、酒飲みだったじいちゃんの節くれだった指と肌の匂いを、やはり思い出してしまうんです。
じいちゃんは、とっても寡黙な人でした。九州訛りで、じいちゃんの口から出る言葉はいつだって一言。それはぼく自身も人見知りで、じいちゃんにあれこれ質問するようなことがなかったからなのかもしれませんが。
よく喋るばあちゃんとは対照的で、夫婦の普段の会話がどのような感じだったのか、大人になった今ではとても興味があります。
ぼくの両親は共働きで、ぼくはいわゆる「鍵っ子」でした。なので、小学校に入学するまでの間の思い出は特にじいちゃんの思い出でぼくの記憶は占められています。
春は潮干狩り、筍掘り、夏はハゼ釣り、カブトムシ取り。秋や冬は畑の手伝いを一緒にしたり、コマや竹笛を作ってくれる様子を眺めたりして過ごしました。
じいちゃんと遊びにいくと、大抵はその日の収穫を夕ご飯に供していました。蛤の酒蒸し、筍の煮物、ハゼの唐揚げ、冷やしトマトやきゅうりの浅漬け、スナップエンドウ、白菜や大根の漬物。そんな季節の食材の脇にはいつも日本酒が置いてあったことを今でも覚えています。
時には冷やで、時にはお燗で。じいちゃんは少し顔を赤くしながら、舐めるように少しずつ、日本酒を楽しんでいました。
子供の頃は、遊びばかりに夢中で季節の食べ物には興味がなかったのですが、大人になった今では「そういうのって、いいなあ」と思うようになったのです。
また、ぼくは不器用で、じいちゃんとやってきた外遊びや土いじりは趣味にはなりませんでしたが、いずれやってみたいなと思ったりもしています。
唯一身になっているのは竹笛で、形見にもらってきた竹笛を、たまに吹いたりもしています。鶯の声真似をすると、今はもうない春の実家の縁側を思い出します。
じいちゃんは、竹笛で鳥の声を真似て鳥を呼び寄せるのが得意でした。
なんてことを書いていたら、澤田酒造 白老「からから」を飲みたくなってきました。
この季節、あさりの酒蒸しと、はちくの煮物で一杯なんていうのもいいですね。
帰省の折には「からから」を買って帰ろうと思います。
次回は「ツナグ」 応用いろはの“ろ”「施設案内編」
来週は「ツナグ」の応用方法、施設案内についての利用方法をお届けします。
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